S大学でパソコンテイカー養成研修会を実施しました

S大学では、20名前後のノートテイカーが活動しているとのことでした。支援者数は現在のところ十分とのことでしたが、在籍する聴覚障害学生が今後ゼミを履修するにあたり、情報量、双方向性、スピード等に対応するため、パソコンテイクの導入を目指したいとのことで相談を受けました。

事前コンサルテーションの結果、今回は受講者を現在活動しているノートテイカーのみに絞り、その経験をベースにパソコンテイクの基本的なスキルを身につけられるような内容で企画しました。

また、S大学の場合は「ゼミでの支援のために」と意図が明確でしたので、何名かの教員に協力をしていただき、実際のゼミを作っての場面練習を取り入れました。このような実践的な練習は、本来であればもう少し基本的な練習を重ねてから行いたいところですが、そこは今後それぞれの支援者が自分で練習をしたり、学内で練習会を設けていただき、経験を重ねることで対応ができると思います。

それよりは、実際の支援現場となるゼミの場面で「どのように工夫を凝らせば、少しでも良い支援を行っていくことができるか」と、実際に支援が始まる前に皆さんで議論し、今後目指していく道筋を持っていただくことを重視して企画しました。

何度か行ううちに、「ノートテイクのように紙に書いたほうが上手く対応できることもある」「先生の前にもモニターを置くことで、ゼミの議論の進行を調整してもらいやすい」「資料の指差しなどノートテイクで使っていたテクニックが実はかなり有効」「聴覚障害学生・支援学生からゼミのメンバーに説明をして進め方を調整してもらうことで通訳の質がだいぶ変わってくる」「パソコンテイカー2名とメモ役1名のチームが良いかもしれない」などと多くの意見・アイディアが出されました。

また、聴覚障害学生を担当するゼミの先生からも工夫できそうなことがたくさんあげられました。これらのアイディアを実際に取り入れて練習をすることで、タイピングスキルはまだ高くなくても工夫次第で少しでも良い支援ができることを実感してもらえたのではないかと思います。

このようにパソコンテイク、ノートテイクと方法を選ぶのではなく、その支援場面に応じて使える手段・スキルを工夫して組み合わせていくことが大切です。はじめは自信のなかった参加者も、ノートテイクで培ったスキルを応用できることが実感でき、自信につながったようです。

(参加者6名程度、講師O)